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タバコ離脱

タバコ離脱

Tobacco Withdrawal

 

疾患の具体例

44歳、女性。学生の頃から喫煙していますが、周囲の仲間が禁煙を始め、自分もタバコをやめることにしました。しかし、タバコを吸わずにいると気持ちが落ち着かず、仕事が手につきません。イライラして家族にあたったり、タバコの代わりに甘いアメやガムを1日中食べたりしてしまい、自己嫌悪に陥っています。

 

特 徴

「タバコ離脱」は、数週間以上にわたってタバコを使用していた人が、急にタバコをやめたり、減らしたりした時に生じる不快な症状です。例えば、怒りっぽくなったり、不安になったり、物事に集中できなくなったりします。抑うつ気分や不眠に陥る人もいます。甘い物が欲しくなるほか、便秘、めまい、悪夢、嘔気、喉の痛みなどが生じる場合もあります。

典型的には、禁煙後の数日間は、心拍が1分間あたり5〜12回減少し、禁煙から1年がたつと体重が2〜3kgくらい増加します。

 

経 過

2日以上禁煙した人の約50%がタバコ離脱を認めると考えられています。特に不安感、易怒性、集中困難はよく見られる症状です。気分の落ち込みと不安はまれです。

 

原 因

離脱症状の大部分は、タバコに含まれるニコチンが体内から喪失することが原因です。通常のタバコからニコチン量の低いタバコに切り替える時にも、軽度の離脱症状が生じることがあります。

ほか、以下の要因が考えられます。

気質要因:

抑うつ障害群、双極性障害、不安症群、注意欠如・多動症、他の物質使用障害を持っている喫煙者は、より重篤な離脱を認めます。

 

遺伝要因と生理学的要因:

離脱症状の出現に、何らかの遺伝子型が関連している可能性があります。

 

治 療

離脱症状の記録:

症状の内容、程度、乗り越えるために行動したことなどをノートに記録し、自分の状態を客観的に把握するように努めましょう。

 

禁煙補助剤:

医師の指導のもと、ニコチンガムなどの禁煙補助剤を使いながら、段階的にニコチン依存から抜け出す方法です。

 

タバコを求める気持ちのコントロール:

タバコを使用したくなる状況や環境をつきとめ、それらを避けるようにします。離脱症状がつらく、喫煙を再開したくなった時にとる行動(例:深呼吸、飲み物を飲む、音楽を聴く)などを決めて、実践することも有効です。

 

診断基準:DSM-5

A. 少なくとも数週間のタバコの日常的使用

B. 以下の徴候または症状のうち4つ(またはそれ以上)が、タバコを急に中止、または減量した後、24時間以内に発現する。

  1. 易怒性、欲求不満、または怒り
  2. 不安
  3. 集中困難
  4. 食欲増進
  5. 落ち着きのなさ
  6. 抑うつ気分
  7. 不眠

C. 基準Bの徴候または症状は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

D. その徴候または症状は、他の医学的疾患によるものではなく、他の物質による中毒や離脱も含む他の精神疾患では上手く説明されない。

 

※参考文献

『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト 日本語版第3版』(メディカルサイエンスインターナショナル)

厚生労働省 最新タバコ情報

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