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こころの病気の用語

ソーシャル・インクルージョン

「インクルージョン」とは「包摂(包み込む)」という意味で、「ソーシャル・インクルージョン」は「社会的包摂」という概念です。さまざまな理由で社会から排除されている人達を再び社会の中に受け入れ、彼らが尊厳ある暮らしができるようにすることを指します。社会政策の方向性としてよく使われる言葉で、所得補償や雇用、職業訓練、教育、住宅など社会福祉に関わる制度の整備を目指す意味もあります。もともと1980年代以降にヨーロッパで生まれた言葉で、移民を標的にした排斥運動などに対応する施策として提唱されるようになりました。

 

似た概念に「ノーマライゼーション」があります。こちらは1950年代にデンマークで誕生した考え方です。主に障害者を対象とし、「できるだけ健常者に近い生活を保証すべき」という概念です。これが、障害者の脱施設化や在宅ケアへとつながっていきました。 ソーシャル・インクルージョンはノーマライゼーションの発展型と言われています。より対象が広く、障害者のほか、女性や非正規雇用者、高齢者、少数民族、貧困状態にある人などマイノリティも含め、誰もが排除されない社会を目指す考え方です。

 

ソーシャル・インクルージョンの捉え方は国によって多少異なります。日本では2000年に厚生省(当時)の「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」が出した報告書に、ソーシャル・インクルージョンの必要性が書かれていました。 具体的には、「今日的な『つながり』の再構築を図り、全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う(ソーシャル・インクルージョン)ための社会福祉を模索する必要がある」としており、このために公的制度の柔軟な対応と、地域社会での自発的支援の再構築が必要であると報告されています。

 

2008年にはいわゆる「派遣切り」が社会問題となり、ソーシャル・インクルージョンが注目されるようになりました。2009年に成立した民主党政権は、社会的包摂を社会保障改革の主要な理念として位置づけ、さまざまな福祉政策を打ち出しました。

2012年に復活した自民党政権では、政策文書の中に「社会的包摂」という言葉があまり使われなくなりましたが、2015年に設置された一億総活躍国民会議で「ソーシャル・インクルージョン」の考え方が取り上げられました。その後、厚生労働省は全国の知事や市長に向けて「地域共生社会の実現に向けた地域福祉の推進について」という通知を出しています。そこには、「貧困や失業に陥った人々、障害を有する人々、ホームレスの状態にある人々等を社会的に排除するのではなく、地域社会への参加と参画を促し社会に統合する『共に生きる社会づくり(ソーシャル・インクルージョン)』という視点が重要である」と書かれています。

 

♯♯参考文献

『現代精神医学事典』(弘文堂)

『社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)政策の展開―我が国と諸外国の実践から―』(近藤倫子)

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