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こころのはなし

1136 トゥレット症 周囲の理解課題

頭や手足を突然動かしたり大声をあげたり、意思と無関係なチック症状が続く「トゥレット症候群(トゥレット症)」は、重症になると通勤や通学、社会生活に支障が出る。原因不明で治療法や特効薬はなく、複雑な症状とつきあうほかない患者や保護者にとっては、社会の理解不足も悩みだ。

● 複数のチック続き

神奈川県に住む女性(43)が、長男の異変に気付いたのは小4の春だった。無意識に「あ、あ」と声が出る。スクールカウンセラーの勧めで受診し、「チック」と診断された。

処方された薬を飲んだが、症状は徐々に悪化した。小6の夏休みには意図せず暴言が出る「汚言症(おげんしょう)」も出始めた。叫び声の大きさに近隣から苦情が寄せられ、マンションから一戸建てに引っ越した。東京の専門外来を受診し、トゥレット症と、発達障害の一種である注意欠陥多動性障害(ADHD)を併発していると告げられた。

現在は、ADHDの薬に加えて向精神薬、漢方薬など10種類近くを服用。チックは穏やかになったが、不安症状や強迫症状が出るなど、心配は尽きない。

不登校にも追い込まれた。中学に入学した直後、上級生から症状を理由にいじめられて校門をくぐれなくなった。今は地方自治体が運営する不登校の生徒向けの少人数学級に通っている。通級を楽しんでいるが、登校前にはチックが出る。症状への不安から電車に乗れないため、自家用車で送り迎えをしている。母親は「薬に頼りすぎる現状が不安。成長するにすれてどうなっていくのかも知りたい」と話す。

トゥレット症は、複数の運動チックと音声チックが1年以上うづく場合に診断される。脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることが関係している説があるが、原因は特定されていない。患者は就学前の5〜6歳から18歳ぐらいまでの男子が多い。米国の統計では、学童期の子ども1000人あたり3〜8人程度にトゥレット症が見られるという。

● 治療は手探り

「専門医や専門職などの人材をはじめ、症例に関するデータも少なく、治療は手探り」と話すのは、患者を多く診察している医療法人社団ハートクリニック(神奈川県鎌倉市)の浅井逸郎医師(精神科)だ。患者が症状について理解し、前兆をとらえて対処する習慣を身につける認知行動療法「包括的行動介入」を日本に導入したが、全員が改善するわけではない。「現状では薬物療法と認知行動療法を併用し、周囲の支えであきらめずにつきあうことが大切」と話す。

小4で発症した会社員、菊池涼太さん(24)=横浜市神奈川区=は「大学進学、将来の夢など、あきらめたことを挙げたらきりがない」と振り返る。通学電車の中で音声チックが出て「うるさい」と殴られたこともある。重症の時期には、自分の体にあざができるまでひじでたたき続けたり、口内炎が気になってかみちぎったりする自傷行為に悩まされた。症状は今も続くが、苦情を言う人には「くしゃみと同じで止められず、自分も困っている」と説明するようにしている。「病気について知ってもらいたい。今は、症状を含めて自分を受け入れてくれる友人や職場の人たちに支えられている」と話す。

6月15日までの1カ月間は「トゥレット症啓発月間」で、9日には東京都大田区の区産業プラザでイベントが開かれる。ドキュメンタリー上映のほか専門委の講演がある。トゥレット友の会のホームページから申し込みが必要。

毎日新聞 2019年6月14日 くらしナビ ライフスタイルの記事より

 

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