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レット症候群

F84.2 レット症候群

Rett’s syndrome

 

疾患の具体例

2歳、女児。生まれてから半年くらいまで日中よく眠っており、「手のかからない子」と言われていました。しかし、周囲の音や声かけに反応せず、寝返りやお座りは遅い方でした。一時期は、ずりばいをしたり、「ママ」「パパ」と言えていましたが、徐々にそうしたことができなくなりました。一方で、手を洗うような動作を繰り返したり、よだれで両手をぬらしたりすることがよくあります。

 

特徴

レット症候群は、女の子のみに報告されている原因不明の病態で、通常生後7〜24カ月の間に発症します。

初期には、一見正常あるいは正常に近い発達をしますが、その後、できていたはずの手先の動作ができなくなったり、言葉が話せなくなったりします。同時に、頭囲の成長がゆっくりになります。手を揉むような動作や、過呼吸、目的を持って手を動かすことをしなくなる点などが典型的です。

小児期中期には背骨が曲がり(側弯あるいは後側弯)、体幹がグラグラして安定して座ったり立ったりできなくなりがちです。舞踏病やアテトーゼといった不随意運動(意図せず体が動く)が見られます。小児期早期あるいは中期にしばしばてんかん発作が出現します。

また、常に重度の知能障害に至ります。

 

有病率

小児慢性特定疾病情報センターのホームページによると、レット症候群の有病率は0.008%(20歳以下女性)と推定されています。

 

経過

レット症候群は進行性の障害です。予後は完全には明らかにされていませんが、大人になるまで生存した場合、患者さんの認知や社会的能力は1歳児の水準にとどまります。

 

原因

1999年、原因遺伝子として「Methyl-CpG-binding protein2 遺伝子 」(MECP2)が見つかりました。レット症候群の典型例の80〜90%にMECP2の変異が見られます。典型的ではないレット症候群では「CDKL5」「FOXG1」という遺伝子の変異が見つかっています。

 

治療

レット症候群の治療は対症療法です。筋肉の機能障害には理学療法が有効で、発作の抑制には通常、抗けいれん療法が用いられます。薬物療法と組み合わせた行動療法が、自傷行為の制御や呼吸不全に有効です。

 

診断基準:ICD-10

症例の大多数は生後7〜24カ月の間に発症する。最も特徴的な症状は、目的をもった手の運動と獲得していた繊細な運動操作力の喪失である。これは、以下のものを伴う。すなわち、言語発達の一部の喪失あるいは欠如、特有の常同的なねじるような手もみ運動、あるいは胸や顎の前で両腕を屈曲させた“手洗い”運動、常同的に唾液で両手を濡らす行為、食物の適度な咀嚼の欠損、頻回な過呼吸のエピソード、大小便のコントロールの獲得にはほとんど常に失敗すること、しばしばよだれを過剰にたらして舌を過度に突出したりすること、社会生活への関わりの喪失。典型的には、小児は幼少期に、人びとを見ながら、あるいは「心を見抜くように」見ながら、一種の「社会的微笑」をすることは保たれているが、人びとと社会的な関わりをもつことはない(社会的な関わりはしばしば後になって発達するようになるが)。両足の位置と歩幅は広くなりがちで、筋トーヌスは低く、通常、体幹の運動は協調性が悪くなり、側弯あるいは後側弯になる。約半数の症例では、青年期あるいは成人期に、重度の運動機能障害を伴った脊髄の萎縮を来すようになる。その後、通常上肢よりも下肢に著しい強剛性痙縮が出現する。てんかん発作は大部分の症例に起こり、通常何らかの型の小さな発作を伴い、一般に8歳前に発症する。自閉症と対照的に、故意の自傷や複雑な常同的な運動への没頭あるいは決まりきった習慣はまれである。

 

診断基準:DSM-5

記載なし

 

※参考文献

『ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン(新訂版)』(医学書院)

『カプラン 臨床精神医学テキスト』(メディカルサイエンスインターナショナル)

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