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アスペルガー障害

アスペルガー障害の概念は、1944年にアスペルガーによって「小児期における自閉的精神病質」と名づけられた子どもたちにさかのぼります。この障害は男児に多く、基本的特徴は、対人関係の障害と限定された反復的な行動、興味、活動にあります。自閉症児とは異なり、明らかな言語、認知発達の遅れがありません。運動のぎこちなさがみられ、典型的には敏捷な自閉症児と対照的です。

 

特 徴

以下のうち少なくとも2つが含まれます。

  1. 非言語的な意思伝達(例えば、身振り)の著明な異常
  2. 仲間を作れないこと
  3. 社会的または情緒的相互性の欠如
  4. 他者の幸福に喜びを示す能力の障害

また、限定された関心と行動様式が常に存在します。

 

原 因

原因は不明です。家族研究によれば自閉性障害との関連が見込まれており、遺伝、代謝、感染症、周産期などの寄与因子の存在が支持されています。

 

経過と予後

さまざまです。予後のよさは、正常なIQと高い水準の社会技能に依拠しています。

 

治 療

患児の適応機能のレベル次第です。重度の社会機能障害(訳注:例えば、強度の攻撃的行動)のある患児に対しては、自閉性障害で用いられるのと同様の方法(抗精神病薬の投与)がとられます。

 

自閉性障害との区別

アスペルガー障害では、自閉性障害と異なり、明らかな言語、認知発達の遅れがありません。また、アスペルガー障害では運動のぎこちなさがみられ、典型的には敏捷な自閉症児とは対照的です。

 

診断基準

DSM-W-TR ICD-10
コード番号299.80 コード番号F84.5
  1. 以下のうち少なくとも2つにより示される対人的相互反応の質的な障害
  1. 目と目で見つめ合う、顔の表情、体の姿勢、身振りなど、対人的相互反応を調節する多彩な非言語行動の使用の著明な障害。
  2. 発達の水準に相応した仲間関係を作ることの失敗。
  3. 楽しみ、興味、達成感を他人と分かち合うことを自発的に求めることの欠如(例:他の人達に興味のある物を見せる、持って来る、指差すなどをしない)。
  4. 対人的または情緒的相互性の欠如。
  1. 行動、興味および活動の、限定的、反復的、常同的な様式で、以下の少なくとも1つによって明らかになる。
  1. の強度または対象において異常なほど、常同的で限定された型の1つまたはそれ以上の興味だけに熱中すること。
  2. 特定の、機能的でない習慣や儀式にかたくなにこだわるのが明らかである。
  3. 常同的で反復的な衒奇的運動(例:手や指をぱたぱたさせたり、ねじ曲げる、または複雑な全身の動き)。
  4. 物体の一部に持続的に熱中する。

 

  1. その障害は社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の臨床的に著しい障害を引き起こしている。
  2. 臨床的に著しい言語の遅れがない(例:2歳までに単語を用い、3歳までにコミュニケーション的な句を用いる)。
  3. 認知の発達、年齢に相応した自己管理能力、(対人関係以外の)適応行動、および小児期における環境への好奇心について臨床的に明らかな遅れがない。
  4. 他の特定の広汎性発達障害または統合失調症の基準を満たさない。

(含)自閉性精神病質、小児期の統合失調質障害

(除)強迫性パーソナリティ障害(F60.5)、小児期の愛着性障害(F94.1,F94.2)、強迫性障害(F42.-)、統合失調型障害(F21)、単純型統合失調症(F20.6)

[定義]

疾病分類学上の妥当性がまだ不明な障害であり、ICD-10では、アスペルガー症候群 Asperger’s syndromeとされる。

[特徴]

関心と活動の範囲が限局的で常同的反復的であるとともに、自閉症と同様のタイプの相互的な社会的関係の質的障害によって特徴づけられる。この障害は言語あるいは認知的発達において遅延や遅滞がみられないという点で自閉症とは異なる。多くのものは全体的知能は正常であるが、著しく不器用であることがふつうである。この病態は男児に多く出現する(約8:1の割合で男児に多い)。少なくとも一部の症例は自閉症の軽症例である可能性が高いと考えられるが、すべてがそうであるかは不明である。

[経過と予後]

青年期から成人期へと異常が持続する傾向が強く、それは環境から大きくは影響されない個人的な特性を示しているように思われる。精神病エピソードが成人期早期に時に出現することがある。

[他の病態との区別]

この病態が自閉症とどの程度異なるかは不明である。障害が脳症に伴って起こると考えられる症例もあるが、診断は行動面での特徴に基づいて行うべきである。神経学的病態を伴うときは、別に分類すべきである。

[診断特徴]

診断は、言語あるいは認知的発達において臨床的に明らかな全般的な遅延がみられないことと、自閉症の場合と同様に相互的な社会関係の質的障害と行動、関心、活動の、限局的で反復的常同的なパターンとの組合せに基づいて行われる。自閉症の場合と類似のコミュニケーションの問題は、あることもないこともあるが、明らかな言語遅滞が存在するときはこの診断は除外される。

【参考・引用文献】

・DSM-W-TR精神疾患の分類と診断の手引 新訂版 高橋三郎他訳 2010 医学書院

・カプラン精神医学ハンドブック 融道男他訳 2010 メディカルサイエンスインターナショナル

・ICD-10精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン 融道男他監訳 2009 医学書院

・知っておきたい精神医学の基礎知識 サイコロジストとコ・メディカルのために 上島国敏・上別府圭子・平島奈津子編 2010 誠信書房

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