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こころの病気のはなし > 専門編 > 器質性健忘症候群

器質性健忘症候群(アルコールおよび他の精神作用物質によらないもの)

Organic amnesic syndrome, not induced by alcohol and other psychoactive substance

疾患の具体例

71歳男性。これといった持病もなく、お酒も飲まない生活を送り、まだまだ元気だと思っていました。

ところが、最近、物忘れが激しくなってきました。ほんの少し前のことは覚えているのですが、数十分前、数時間前のことをうっかり忘れてしまうのです。また、今は何時か、今日は何月何日か、自分は何歳だったかなどが分からなくなることもありました。

ある日、友人と約束したことを忘れて電話がかかってきた時、「妻の体調が悪いんだ」と弁明しましたが、妻はすでに他界しています。

子どもたちが心配し、病院を受診。決まった数を順番に唱える「数唱テスト」などを行った結果、医師からは「脳の視床下部に障害があることによる健忘症」と診断されました。

 

特 徴

直前の記憶は保たれていますが、短期および長期の記憶が著しく傷害される病気です。新しいことを覚える能力も著しく低下します。時間に対する感覚があいまいになり、約束の時間に遅れたり、季節に合わない服を着たりすることもあります(時間の失見当識)。また、人によって、明らかな作り話をすることもありますが、記憶違いによる失敗を取り繕うための場合もあります。

ただ、知覚や認知能力は保たれていることが多く、自分が病気であるという認識が乏しい傾向があります。感情の起伏がなくなり、自発的に行動しなくなる人もいます。

 

原因

典型的には、脳の視床下部から間脳系、あるいは海馬領域に何らかの障害があることが原因になります。

 

症状、経過

基礎にある病変の経過にともなって変化します。元の病気が治ることで、健忘症もほぼ完全に回復することがあります。

 

治 療

元となっている病気が治療可能な状況であれば、その病気の治療をします。

 

診断基準:ICD-10

確定診断のためには以下が必要である。

(a)記憶障害は短期記憶の障害が顕著である(新しい事柄の学習障害)。前向性および逆向性健忘と過去の経験を時間的順序にしたがって想起する能力の低下。

(b)脳への傷害あるいは脳疾患(とくに両側の間脳と内側側頭葉領域を含む)の既往歴ないし客観的所見。

(c)即時記憶(たとえば数唱テストでみられるような)、注意と意識、全体的な知的能力などの機能障害がないこと。 作話、病識の欠如、情緒的変化(無感情、自発性欠如)は付加的なものであり、すべての症例に必要な条件ではないが、診断の指針になる。

 

診断基準:DSM-5

(記載なし)

 

※参考文献

『ICD-10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン(新訂版)』(医学書院)

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