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MMSE(ミニメンタルステート検査)

MMSEは日本語で「精神状態短時間検査」と言って、10〜15分程度の短い時間で認知機能の障害があるかどうかを調べる検査です。米国のフォルスタイン夫妻が入院患者の認知障害を測定する目的で作り、1975年に公表しました。認知症のスクリーニングテストとしては、世界的にもっともよく活用されています。日本語版は、2006年に杉下守弘医師が翻訳した「MMSE-J」があります。

 

MMSEの評価項目は11問で、見当識や単語の記銘、計算、図形の描画などで構成されています(詳細は下記参照)。30点満点中、23点以下で認知症の疑い、27点以下は軽度認知障害(MCI)の疑いがあると判断されます。

 

● MMSEの評価項目の構成

  • 見当識
    <時に関する見当識> 「時」に関するいくつかの質問に答える
    <場所に関する見当識> 「場所」に関するいくつかの質問に答える
  • 記銘   いくつかの単語を繰り返して言う
  • 注意と計算
    <シリアル7課題> 暗算で特定の条件の引き算をする
    <逆唱課題> 特定の単語を後ろから言う
  • 再生   「記銘」で使用したいくつかの単語を言う
  • 呼称   日常的にありふれた物品の名称を言う
  • 復唱   教示された頻繁には使われることのない文を正確に繰り返す
  • 理解   教示されたいくつかの命令を理解し実行する
  • 読字   紙に書かれた文を理解し実行する
  • 書字   筋が通った任意の文を書く
  • 描画   提示された図形と同じ図形を書く

 

ただし、MMSEはあくまでスクリーニングテストであって、特定の集団の中から認知症のリスクの高い人をふるいにかけることを目的にしています。認知機能の低下を早期発見はできますが、確定診断はできません。MMSEで認知症や軽度認知障害(MCI)の疑いが見つかった人は、医師の診察を受けることが大切です。

 

なお、認知症があっても軽症の場合や、健康な時の能力が高い場合はMMSEの得点が高くなりやすく、テストとしての診断率が低いと言われています。逆に、認知症が軽度でも言語障害がある場合は低得点の傾向が報告されています。その場合は、MMSEにほかの神経心理学的検査を加えると診断率が高まります。例えば、トレイルメーキングテスト(TMT)といって、紙にランダムに書かれた数字を1から順番に線でつないだり、数字と平仮名を「1―あ」「2―い」と規則的につないでいったりする検査。あるいは、語列挙課題といって、1分間にできるだけ多くの言葉を列挙する検査などが用いられます。

 

※参考文献

『認知症疾患診療ガイドライン2017』(日本神経学会)

『現代精神医学事典』(弘文堂)

『MMSE-J 精神状態短時間検査 カタログ』(日本文化科学社)

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