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こころの病気の用語

アドボカシー

「アドボカシー」(advocacy)は、権利擁護や弁護をすることを意味します。日本では環境保護や人権保護などの分野でよく使われていましたが、近年は医療分野においても見聞きするようになりました。自分の意思を表明することが難しい患者さん(子ども、障害のある人、高齢者等)に代わり、病院から独立した第三者がその人の権利を擁護し、救済することを指します。

例えば、治療を受ける・受けない、入院する・しないなどについて人権侵害があった場合、第三者が患者さんの意思を病院側に伝え、権利を守るのです。患者さん自身が解決できるよう、援助することもあります。そうした取り組みを「ペイシェント・アドボカシー」ということもあります。

 

精神科医療は、疾患の状態によって患者さん自身の意思に反する入院(医療保護入院)が行われることがあります。その場合、入院時の手続きは精神保健指定医の判断と、家族等(配偶者、親権者、扶養義務者、後見人または保佐人。該当者がいない場合等は市町村長)の同意によって決まるため、患者さんの権利を守るアドボカシーは特に大切だと考えられています。

 

アドボカシーをする第三者、つまり擁護や弁護などをする人を「アドボケーター」や「アドボケイト」と言います。国は、精神科医療において、アドボケーターに関連した制度を作ろうとしています。

2013年に施行された改正精神保健福祉法では、精神科病院への入院中や退院時等に、患者さん自身が意思決定や意思表明ができるよう支援することが、検討課題になっていました。いくつかのモデル事業が実施され、その後、厚生労働省の事業の一環として、日本精神科病院協会が「アドボケーターガイドライン」をまとめました。ここでは、アドボケーターの定義を以下のように定めています。

 

アドボケーターとは、精神科病院に入院している者にとって、入院生活での困り事に対して信頼できる相談相手で、入院中の「説明が得られない」「聞いてもらえない」ことに対しても、本人の立場で気持ちや状況を理解し、必要に応じて代弁することで、本人が自分の気 持ちに正直に生き、主体的に精神科医療を受けられるように側面的に支援する者である。アドボケーターは、本人の話を先入観なく理解し、利害関係のない人がその任を担う。

 

アドボケーターの担い手としては、相談支援専門員や保健師、看護師、精神保健福祉士、ピアサポーターなどが想定されています。彼らが研修を受けてアドボケーターとなり、患者さんが希望すれば病院に出向いて30〜60分程度、話を聞くことになっています。

 

ただし、このガイドラインによると、アドボケーターは患者さんに直接的な支援ができず、面会の結果を病院に報告することになっています。実施条件などを病院が決めることになっており、病院から独立したアドボケーターにはならないのではないか、と指摘もあります。日本におけるアドボケーター制度の導入にはまだ課題が残されているようです。

 

※出典

「入院に係る精神障害者の意思決定及び意思の表明に関するモデル事業報告書」

「入院に係る精神障害者の意思決定及び意思の表明に関するアドボケーターガイドライン」

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